麹菌発酵大豆培養物(イムバランス)におけるアレルギー疾患への有効性を確認、海外共同研究論文が英「Clinical and Experimental Allergy」誌などに掲載
ニチモウバイオティックス株式会社(本社:東京都品川区。ニチモウ(株)100%子会社)は、米国ニ
ューヨークにあるマウントサイナイ医科大学との共同研究で、同社の開発素材である麹菌発酵大豆培
養物(商品名『ImmuBalance®<イムバランス®>』)が、①ピーナツアレルギーモデルマウスに対する
ImmuBalanceの療法的な効果として、Th1型反応およびTh2型反応の調節と関連していることを確認し、
食物アレルギーに対する潜在的な新療法の可能性があるとした。この研究論文は英国の Clinical and
Experimental Allergy 誌に 2008 年 11 月号に掲載された。
一方、国内では、②多くのアレルギー新薬開発に重要な前臨床試験を行ってきた、国立東京農工大
学大学院農学研究院(以下、農工大)松田浩珍教授らのグループとの共同研究のもとに、同研究グル
ープが発見したアトピー性皮膚炎自然発症モデルマウスである「NC/Nga マウス」を用い、ImmuBalance
の有効比較試験を行った。2.0%ImmuBalance 投与群では、皮膚炎症状の悪化抑制および引っ掻き行動
数の増加抑制が認められ、皮膚炎スコアの有意的な低下が認められた。また、皮膚の水分蒸散量(TEWL)
も顕著な低下が認められた。ImmuBalance 投与群は、軟膏塗布薬群とほぼ同等の傾向を示した。これ
らの成果は、2009 年 10 月秋田で開催された第 59 回日本アレルギー学会秋季学術大会において、農工
大の松田浩珍教授らが発表した。
さらに、③所沢耳鼻咽喉科(埼玉県所沢市)にて花粉症予防効果のパイロット臨床試験の結果、お
よそ 85%有効性が確認された。くしゃみ、眼のかゆみ、なみだ目、鼻水、口蓋・喉の腫れの症状、およ
び、日本版鼻結膜炎 QOL が前年と比べて改善した。花粉ピークシーズンでの自己評価による症状スコ
アの全体平均(1.7±0.8)は前年(3.5±0.5;P=0.001)と比べ大幅に改善したことが示された。更に、
花粉ピークシーズンでのくしゃみおよび鼻水の平均スコアも前年と比べ大幅に改善したことが示され
た(P<0.05)。この研究成果は、英国の Clinical and Experimental Pharmacology and Physiology 誌に 2007
年 11 月号に掲載された。