-第2回 日本アレルギー学会東海地方会にて発表-
ニチモウバイオティックス株式会社(本社:東京都港区。ニチモウ(株)の100%子会社)は、健康食品メーカーとして麹菌発酵大豆並びにイソフラボンに特化した研究と開発を行い、日米欧で製造特許を取得した独自の麹菌発酵技術により作られた 麹菌発酵大豆培養物『イムバランス®』を市場に供給している(※製造特許は特許存続期間を満了している)。また、長年に渡り国内外の多くの著名 な大学と共同研究を行い、豊富なエビデンスを蓄積している。
ニチモウバイオティックスはこれまでの試験で、『イムバランス®』のアトピー性皮膚炎、花粉症、食物アレルギー等のアレルギー性疾患に対する有効性を確認していた。豊橋市民病院、あいち小児保健医療総合センター、藤田医科大学病院及び杏林大学医学部付属病院と共同研究した今回の発表では、『イムバランス®』を摂取することで急速経口免疫療法(Rush Oral Immunotherapy:RIOT)前後の好塩基球の活性化割合低下が確認された。
急速経口免疫療法は短期間で耐性化を導く経口免疫療法として実績がある一方で、安全性や治療効果のさらなる向上を目指し様々な研究が進められている。本研究の結果から、『イムバランス®』の摂取により急速経口免疫療法の治療効果が向上する可能性が示唆された。
この研究結果は、第2回 日本アレルギー学会東海地方会(3月21日)において研究発表しましたので、お知らせいたします。
本発表骨子は次頁のとおり。
※急速経口免疫療法(RIOT)
食物アレルギーの治療のため、原因食材を計画的に経口摂取する「経口免疫療法」の一つで、卵、牛乳、小麦等に対する重症の食物アレルギー児が対象となる。
経口負荷試験で症状が出る量を決定した上で約2週間の入院を行い、1日数回の原因食材摂取を繰り返しながら増量をはかり、退院時に目標量の摂取を目指す方法として研究が重ねられている。
記
【発表演題】
「急速経口免疫療法に対する麹菌発酵大豆培養物の補助効果に関する検討」
発表者:望月 聡1,田島 巌1,牧野 篤司4,松井 照明2 ,窪田 祥平2,北村 勝誠2,
高里 良宏2 ,杉浦 至郎2,近藤 康人3,柘植 郁哉3,伊藤 浩明2
1豊橋市民病院,2あいち小児保健医療総合センター, 3藤田医科大学病院,
4杏林大学医学部付属病院
【目的】 『イムバランス®』の摂取により、急速経口免疫療法(RIOT)の安全性・有効性が向上するかを評価すること。
【対象】 あいち小児保健医療総合センターアレルギー科に通院中かつ、2016-2017年に卵・乳・小麦のROITを受ける患者38名(4~14歳)。
【方法】 封筒法を用いたダブルブラインド化により、対象者を試験食品群と対照食品群に割り付け、さらにROIT入院前の微量摂取の有無によってグループランダム化した。
RIOT退院後、試験食品群(n=19)は『イムバランス®』600mg/日(4錠)を、対照食品群(n=19)は未発酵大豆食品(4錠)を3か月間摂取した。
(MED+TS)/Timesスコア(RIOT入院中に誘発されたアレルギー症状のTotal ScoreとMedication Scoreの和を、目標量に到達するまでの摂取回数で除したもの)を主要アウトカム、RIOT退院時および3か月後の目標量達成率、目標量到達者の割合、及び好塩基球刺激試験(Basophil Activation Test:BAT)の結果の変化を副次アウトカムとして評価した。
【結果】 『イムバランス®』摂取の有無は、(MED+TS)/Timesスコア、目標量達成率、及び目標量到達者の割合に影響を与えなかった。
一方、『イムバランス®』の摂取により、RIOT前後の好塩基球の活性化割合が有意に低下した。
【結論】 以上のことから『イムバランス®』の摂取により、RIOTの治療効果が向上する可能性が示唆された。
以上