~第66回日本生殖医学会学術講演会・総会にて発表~
ニチモウバイオティックス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 天海 智博。ニチモウ(株)100%子会社)は、健康食品メーカーとして麹菌発酵大豆並びにイソフラボンに特化した研究と開発を行い、日米欧で製造特許を取得した独自の麹菌発酵技術により作られた、世界に唯一の極めて抗酸化力の高いアグリコン型イソフラボン(麹菌発酵大豆胚芽抽出物、商品名:『 AglyMax ® 』)を市場に供給 している(※製造特許は特許存続期間を満了している)。また、長年に渡り国内外の多くの著名な大学と共同研究を行い、豊富なエビデンスを蓄積している。
ニチモウバイオティックスはこれまでの試験で、『AglyMax®』が着床に必須とされるサイトカインであるLIF(leukemia inhibitory factor:白血病阻止因子)などを誘導することを確認していた。
この度、麻布大学(学長:川上 泰 、本部:神奈川県相模原市、 URL:https://www.azabu-u.ac.jp/)による発表において『AglyMax®』を投与した加齢マウスでは発情頻度を増加させ、胚着床数および重量が若齢マウスと同等 程度に改善されるという結果を確認した。また、『AglyMax®』を投与した加齢マウスでは、非投与のマウスと比べて分娩率が高い傾向を示すことも確認した。加えて、妊娠(膣栓)確認後に『AglyMax®』非含有食に切り替えることによって 分娩率がさらに改善されることも確認した。
以上の結果から、『AglyMax®』は母体に悪影響を与えることなく、高齢出産における出生率が向上する可能性が示された。晩婚化など出産の高齢化が進み、不妊治療に大きな関心が集まる中、今後の不妊対策の一助となるのではないかとしている。
上記の研究結果は、第66回 日本生殖医学会学術総会(11月11日~12日:鳥取県米子市)において研究発表しましたので、お知らせいたします。
本発表骨子は次頁のとおり。
※麻布大学について
麻布大学は、今年2020年には学園創立130周年を迎え、獣医系大学として二番目に長い歴史を持つ大学です。
私立大学として動物学分野の研究に重点を置くトップクラスの実績を基盤に、新たな人材育成に積極的に取り組んでいます。
同大学は、1 つのキャンパス内で、人・動物・環境に関する教育・研究を実施している国内唯一の大学です。
麻布大学の概要:https://www.azabu-u.ac.jp/about/
記
演題:アグリコン型大豆イソフラボンの給餌が加齢雌マウスの生殖能におよぼす影響
発表者:須山 あゆみ1、寺川 純平1,2、伊藤 潤哉1,2、柏崎 直巳1,2
1麻布大学大学院獣医学研究科、2麻布大学獣医学部
【方法】
『AglyMax®』 含有餌を4週間以上与えた成熟個体8週齢以上をIA-Young区マウス、IA非含有餌を与えた対照個体をYoung区マウスとした。また、『AglyMax®』含有餌を与えた加齢個体 (24週齢以上)をIA-Aged区マウス、IA非含有餌を与えた対照個体をAged区マウスとした。
(実験 1)性周期への影響を調べるために、約30日間マウス膣スメアを採取、観察し比較した。
(実験 2)妊娠への影響を調べるために、妊娠 8 および 10 日目で子宮をサンプリングし、着床数、胚重量の測定、子宮組織の形態比較および細胞増殖マーカー (Ki67)の染色による確認を行った。
(実験 3)生殖能への影響を調べるために、妊娠日数および産子数を確認し、分娩率を算出した。
【結果】
(実験 1)Young区およびAI-Young区では発情回数に有意な差はみられなかった 。一方で、IA-Aged区マウスでは Aged区マウスと比較して発情回数が多くなる傾向がみられた。 (p<0.1)
(実験 2)IA-Aged 区マウスは、Young区マウスと同程度の着床数および胚重量を示した。また、子宮組織像も形態的に同様であり、Ki67 の発現においても同程度であった。
(実験 3)IA-Aged区マウスの分娩率は64%であり、Aged区マウス (37%)と比較して高い傾向を示した (p<0.1) 。さらに妊娠(膣栓)確認日から『AglyMax®』 非含有餌の給餌に切り替えることで分娩率は86%とさらに改善された。
【結論】
加齢雌マウスへのアグリコン型イソフラボン給餌は、発情回数の増加、分娩率の向上等の生殖能が改善する可能性が示された。
本研究結果を受け、今後 『AglyMax®』 が高齢の不妊症例における治療補助の候補として期待される。
以上