-第65回 日本生殖医学会学術総会にて発表-
ニチモウバイオティックス株式会社(本社:東京都港区 ニチモウ(株)(証券コード8091)の100%子会社)は、健康食品メーカーとして麹菌発酵大豆並びにイソフラボンに特化した研究と開発を行い、日米欧で製造特許を取得した独自の麹菌発酵技術により作られた、世界に唯一の極めて抗酸化力の高いアグリコン型イソフラボン(麹菌発酵大豆胚芽抽出物、商品名:『 AglyMax ® 』)を市場に供給 している(※製造特許は特許存続期間を満了している)。また、長年に渡り国内外の多くの著名な大学と共同研究を行い、豊富なエビデンスを蓄積している。
ニチモウバイオティックスはこれまでの試験で、『AglyMax®』が着床に必須とされるサイトカインであるLIF(leukemia inhibitory factor:白血病阻止因子)などを誘導することを確認していた。麻布大学(学長:浅利昌男、本部:神奈川県相模原市、URL:https://www.azabu-u.ac.jp/)と共同研究した今回の発表では、マウスに『AglyMax®』を投与したところ、若齢マウスでは投与しなかった群と比べて着床数や胚重量に差異が認められなかった。一方、『AglyMax®』を投与した加齢マウスでは発情頻度を増加させ、胚着床数および重量が若齢マウスと同等という結果が確認された。
以上の結果から、『AglyMax®』は母体に悪影響を与えることなく、高齢出産の出生率が向上する可能性が明らかとなった。晩婚化など出産の高齢化が進み、不妊治療に大きな関心が集まる中、今後の不妊対策の一助となるのではないかとしている。
この研究結果は、第65回 日本生殖医学会学術総会(12月3日~4日:ライブ配信、12月3日~23日:WEB会期)において研究発表しましたので、お知らせいたします。
本発表骨子は次頁のとおり。
※麻布大学について
麻布大学は、今年2020年には学園創立130周年を迎え、獣医系大学として二番目に長い歴史を持つ大学です。
私立大学として動物学分野の研究に重点を置くトップクラスの実績を基盤に、新たな人材育成に積極的に取り組んでいます。
人・動物・環境に関する教育・研究を同一キャンパスで実施している国内唯一の大学です。
麻布大学の概要:https://www.azabu-u.ac.jp/about/
【お問合せ先】ニチモウバイオティックス(株)営業部(03-6478-5060)までご連絡ください。
記
【発表演題】
「大豆イソフラボンアグリコンの給餌がマウス生殖機能におよぼす影響」
発表者:須山あゆみ1,伊藤潤哉1,2,柏崎直巳1,2
1麻布大学大学院獣医学研究科,2麻布大学獣医学部
【目的】 大豆イソフラボンにはエストロジェン作用があることはよく知られている.これまでヒト子宮内膜上皮細胞を用いて,培養液にイソフラボンを添加すると,エストロジェン下流にある胚着床関連因子の発現が上昇することも報告されている.しかしマウス個体におけるイソフラボンの役割は明らかになっていない.そこで本実験では大豆イソフラボンのうち,糖鎖を持たず吸収性が高いイソフラボンアグリコン(IA)に着目し,一定期間のイソフラボンの給餌が,若齢および加齢マウス個体の生殖機能におよぼす影響を調べた.
【方法】 実験1:IA含有餌を8週齢以上の若齢マウス(IA-Young区)を用いた.IA非含有餌を与えた対照マウスをYoung区とした.IA-YoungおよびYoung区マウスをそれぞれ雄マウスと交配させ,膣栓確認日をDay1とし,Day10で子宮を回収し,着床数および胚重量を比較した.実験2:IA含有餌を4週間以上与えた28週齢以上の加齢マウス(IA-Aged区)を用いた.IA非含有餌を与えた対照マウスをAged区とした.33日間膣スメアを採取し,性周期を調べた.また,実験1と同様にIA-Aged区マウスを用いてDay10で子宮を回収し,着床数および胚重量をYoung区と比較した.
【結果】 実験1:IA-Young区のDay10における平均着床数は7.8個,着床部位1つあたりの重量は0.04gであり,Young区のマウス(7.0個および0.06g)と比較して同等であった.実験2:IA-Aged区では,発情周期の平均は6.9日であり,Aged区のマウスの13.2日と比較して著しく短かった.また,IA-Aged区のDay8における平均着床数は8.0個,着床部位1つあたりの重量は0.052gであり,Young区のマウスと同程度であった.
【結論】 以上のことから大豆イソフラボンアグリコンの給餌は,若齢マウスでは着床数や胚重量に影響を与えないこと,一方,加齢マウスでは発情頻度を増加させ,胚の着床数や重量を若齢マウスと同程度に改善させる可能性があることが明らかとなった.
以上