麹菌発酵大豆培養物(イムバランス)におけるアトピー性皮膚炎への有効を確認
ニチモウバイオティックス株式会社(本社:東京都品川区。ニチモウ(株)100%子会社)は、多くのアレルギー新薬開発に重要な前臨床試験を行ってきた、国立大学法人東京農工大学大学院農学研究院(以下、農工大)松田浩珍教授らのグループとの共同研究のもとに、同社の開発素材である麹菌発酵大豆培養物(商品名『ImmuBalance®<イムバランス ®>』)の、同研究グループが発見したアトピー性皮膚炎自然発症モデルマウスである「NC/Tnd マウス」(旧名:NC/Nga マウス)を用いた有効比較試験を行った。
2.0%ImmuBalance 投与群では、皮膚炎症状の悪化抑制および引っ掻き行動数の増加抑制が認められ、皮膚炎スコアの有意的な低下が認められた。また、皮膚の水分蒸散量(TEWL)も顕著な低下が認められた。ImmuBalance 投与群は、0.1%FK506 軟膏塗布薬群とほぼ同等の傾向を示した。NC/Tnd マウスに対する ImmuBalance の治療効果として、神経細胞(PC12)の成長因子(NGF)刺激による神経樹状突起伸展に対する抑制効果と関連していることを確認し、有効成分は麹菌発酵による新たに産生された麹多糖類およびペプチド類であり、アトピー性皮膚炎に対する潜在的な新規治療法の可能性があるとした。
この研究論文は、Journal of Dermatological Science誌に 2012 年 8 月号に掲載された。